
夏の渋滞や坂道走行中に、水温計が「H」に近づいたり、ボンネットから蒸気が出たりした経験はありませんか?
それは「オーバーヒート」の前兆かもしれません。
この記事では、車がオーバーヒートする主な原因、修理費用の目安、そしていざというときにできる応急処置までわかりやすく解説します。
事前に知っておくことで、突然のトラブルにも落ち着いて対応できるようになりますので、ぜひ最後までご覧ください。
オーバーヒートが起こる原因

車のオーバーヒートとは、エンジンが適正温度を超えて過熱した状態を指します。
突然起きるわけではなく、車の冷却機能や走行環境に何らかの問題が生じることで発生するのです。
ここでは主な原因を4つの観点から解説します。
冷却水まわりのトラブル
エンジンを冷やすために欠かせないのが冷却水(クーラント)です。
冷却水の量が不足したり、ホースやラジエーターから漏れたりすると、エンジンの熱を効率的に逃がせなくなり、温度が急上昇してしまいます。
また、冷却水そのものが古くなり劣化すると、錆や汚れが循環経路にたまり、冷却効率が落ちることもあるのです。
定期的な点検や交換を怠ると、気づかないうちにオーバーヒートのリスクが高まります。
冷却システムの故障
冷却水が十分でも、循環させる仕組みが故障していればオーバーヒートは起こります。
代表的なのが以下の部品です。
部品 | 概要 |
ラジエーター | 熱を逃がす役割。詰まりや損傷で冷却できなくなる。 |
冷却ファン・ファンモーター | 渋滞時など走行風が当たらない場面で必須。動かないと温度が下がらない。 |
ウォーターポンプ | 冷却水を循環させるポンプ。故障すると水漏れや循環不良を起こす。 |
サーモスタット | 冷却水の流れを調整する部品。不具合で温度調整が効かなくなる。 |
これらはいずれも消耗品のため、長く乗っていると劣化や故障によってトラブルが発生しやすくなるのです。
エンジンオイルの不足・劣化
エンジンオイルには「潤滑」「密封」「清浄」といった役割のほかに、冷却作用もあります。
オイルが不足していたり劣化していると、摩擦が増えて熱がこもりやすくなり、オーバーヒートにつながるのです。
特にオイル交換を長期間行っていない場合や、オイル漏れがある場合は要注意。
オーバーヒートの直接的な原因として見落とされがちですが、オイル管理の不備は大きなリスクになります。
走行状況による負荷
部品が壊れていなくても、走行状況が原因でオーバーヒートが起きることもあるのです。
- 渋滞での長時間アイドリング
- 坂道を低速ギアのまま長く走行
- 真夏の高温環境での長距離走行
- サーキットや高速道路で高回転を維持する運転
こうした状況ではエンジンに通常以上の負担がかかり、冷却機能が追いつかなくなります。
特に夏場や荷物を多く積んでいるときは、水温計の変化に注意することが大切です。
オーバーヒートの前兆サイン

オーバーヒートは突然発生するように思えますが、多くの場合は事前に兆候があります。
前兆を見逃さずに早めに対応できれば、エンジンの深刻なダメージを防げる可能性が高まるのです。
ここでは代表的なサインを紹介します。
水温計の異常表示
メーターパネルにある水温計は、エンジンの状態を示す重要な指標です。
通常は「C(Cool)」と「H(Hot)」の中間あたりを指していますが、針が「H」に近づいている、あるいは水温警告灯が点灯した場合は要注意。
エンジンの冷却がうまくいっていないサインなので、オーバーヒート寸前の可能性があります。
ボンネットからの蒸気や異臭
走行中や停車時にボンネットから白い蒸気が出ていたり、甘いにおいがする場合は、冷却水が漏れて蒸発している可能性があります。
また、焦げ臭いにおいがする場合はエンジンオイルが高温になっているサイン。
これらはいずれも早急な対応が必要です。
エンジンの異音やパワーダウン
下記のような変化も、オーバーヒートの前触れと考えられます。
- アクセルを踏んでも加速が鈍い
- エンジン回転数が安定しない
- 金属音のような異音がする
特に「カンカン」「キーキー」といった音は深刻な摩耗や焼き付きが始まっている可能性があるため、注意が必要です。
走行中の違和感
普段と比べてハンドルやアクセルの操作感が重い、走行中に車がぎこちなく感じられるなどの違和感も危険信号。
単なる運転の疲れや道路状況の影響と考えがちですが、実はエンジン温度の異常が原因となっているケースもあります。
車がオーバーヒートしたときの応急処置

実際にオーバーヒートが起きたときは、慌てずに正しい手順で行動することが重要です。
誤った対応をするとエンジンにさらなるダメージを与えたり、やけどなどの危険につながることもあります。
ここでは応急処置の流れを紹介しましょう。
1.安全に停車する
まずは周囲の交通に注意しながら、路肩や駐車場など安全な場所に車を停めましょう。
走行を続けるとエンジンが焼き付く危険があるため、異常を感じたらすぐに停車が基本です。
ただし、エンジン停止直後は冷却水やオイルの循環が止まり、かえって温度が急上昇するリスクがあるためすぐにエンジンを切るのは避けてください。
2.ボンネットを開ける
停車後はボンネットを開け、エンジンルームに風を通して温度を下げます。
内部は高温になっているため、素手で触れるのは危険です。
必ず手袋を着用し、やけどを防ぐために十分に注意してください。
もし冷却ファンが回っていない、冷却水が漏れているといった異常が見られる場合は、エンジンを停止して自然冷却に切り替えましょう。
3.冷却水のチェック
エンジンがある程度冷えてから、リザーバータンクの冷却水量を確認します。
「LOW」や「MIN」を下回っていれば不足しているサインです。
応急処置として水道水を補充することも可能ですが、あくまでも一時的な対応にすぎません。
後日必ず整備工場で点検・交換を受ける必要があります。
なお、エンジンが熱い状態でラジエーターキャップを開けると、高温の冷却水が噴き出して大変危険です。
必ず十分に冷えてから確認してください。
4.エンジンオイル・冷却ファンの確認
次にエンジンオイルの量や状態をチェックします。
レベルゲージを抜いて量を確認し、減っていたり変色している場合は内部で異常が起きている可能性が。
また、冷却ファンが作動しているかも確認しましょう。
ファンが故障している場合はアイドリング時に温度が下がらず、渋滞などで再びオーバーヒートを起こす危険があります。
5.ロードサービスを呼ぶ
応急処置をしても症状が改善しない場合や、異臭・蒸気などが強い場合は無理に走行を続けず、ロードサービスを呼ぶのが安全です。
JAFや加入している自動車保険のロードサービスを利用すれば、レッカー移動や整備工場での点検につなげられます。
一度オーバーヒートした車は再発しやすいため、自己判断で再走行するのは避けましょう。
オーバーヒートの修理費用の目安

オーバーヒートの修理費用は、原因となった部品や損傷の程度によって大きく変わります。
軽度の交換で済む場合もあれば、エンジン本体にダメージが及ぶと高額修理が必要になるケースも。
以下は代表的な修理内容と目安費用です。
修理内容 | 費用の目安 |
冷却水の補充・交換 | 約5,000円 |
ラジエーターホース交換 | 約2万円 |
電動ファン交換 | 3〜5万円 |
ラジエーター交換 | 4〜7万円 |
ウォーターポンプ交換 | 4〜7万円 |
エンジン載せ替え | 20万円以上 |
軽度のトラブルであれば数千円〜数万円で修理が可能ですが、エンジン本体にまで損傷が及ぶと高額な修理費用がかかります。
そのため、オーバーヒートを放置しないことが、修理費用を最小限に抑えるための最大のポイントです。
オーバーヒートを予防するためのポイント

オーバーヒートは起きてから対応するよりも、事前に防ぐことが何より大切です。
普段からの点検や整備を心がければ、突然のトラブルを大幅に減らせます。
ここでは日常のチェックからプロの整備、そして夏場や渋滞時に注意したいポイントを紹介しましょう。
日常的に自分で点検する
ドライバー自身ができる予防策として、以下のような簡単なチェックがあります。
- 運転中に水温計の針が「H」に近づいていないか確認する習慣をつける
- リザーバータンクの水位が「LOW」より下がっていないか確認する
- 冷却水の色が濁っていないか確認する
- エンジンオイルの量と色を確認する
これらを習慣にするだけで、前兆を早めに察知し、重症化を防げます。
定期的にプロの整備を受ける
日常の点検だけでは見抜けない不具合も多いため、定期的な整備は欠かせません。
車検や半年点検の際に、次の項目をプロにチェックしてもらうと安心です。
- ラジエーターやホースの劣化・ひび割れ
- ウォーターポンプやサーモスタットの作動状況
- 冷却ファンやモーターの異常音や動作不良
特に冷却系の部品は消耗品であるため、長年乗っている車ほど点検が重要です。
夏場・渋滞時に備えておく
気温が高い夏や渋滞時はオーバーヒートが起こりやすくなります。
以下のような工夫をしておきましょう。
- 長距離ドライブでは休憩をこまめにとり、エンジンを休ませる
- 荷物を積みすぎないようにして、エンジン負荷を軽減する
- 渋滞時はエアコンの使用を控えるか、こまめに外気導入を切り替える
とくに真夏の高速道路渋滞ではエンジンに大きな負担がかかります。
あらかじめ予防を意識することで、安心して運転できるでしょう。
オーバーヒートを防いで安心のカーライフを

オーバーヒートは冷却水や冷却システムの不具合、エンジンオイルの不足、さらには走行環境の影響など、さまざまな要因から発生します。
放置すれば高額な修理費用やエンジンの載せ替えといった最悪の事態に発展することもありますが、前兆サインを見逃さず、応急処置やロードサービスを活用すれば被害を最小限に抑えられるのです。
「もしも」のトラブルに備え、今回紹介したポイントを実践しながら、安全で快適なカーライフを楽しみましょう。
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