ラジエーター液は、エンジンをオーバーヒートから守る大切な役割を担っており、適切な量を保つことで車の故障や高額な修理を防げます。
とはいえ、「補充なんて難しそう」「水道水でいいの?」と不安に感じる方もいるでしょう。
この記事では、ラジエーター液の役割や種類、点検のタイミングから初心者でもできる補充の手順・必要な道具・注意点まで、わかりやすく丁寧に解説します。
愛車を長く安全に乗り続けるために、ラジエーター液の正しい知識と扱い方を身につけましょう。
ラジエーター液とは?
ラジエーター液とは、エンジンの温度を適切に保つために使用される専用の液体です。
「冷却水」や「クーラント液」とも呼ばれており、エンジンの熱を逃がしてオーバーヒートを防ぐという非常に重要な役割を果たしています。
車のエンジンは走行中、燃料を燃焼させることで大量の熱を発生させるのです。
この熱を放置すると、エンジン内部の金属部品が膨張・変形し、最悪の場合はエンジンが焼き付いたり、車が故障したりする可能性があります。
ラジエーター液はこうしたトラブルを防ぐために、エンジン内を循環して熱を吸収しているのです。
さらに、ラジエーター液には防錆剤や不凍成分が含まれており、エンジン内部の金属部品が錆びたり、寒冷地で凍結したりするのを防ぐ効果もあります。
つまり、ラジエーター液は「冷やす・守る・凍らせない」という3つの働きを持った、車にとって欠かせないメンテナンス液なのです。
ラジエーター液の循環の仕組み
ラジエーター液は、エンジンの熱を冷ますために車内を巡る重要な役割を果たしていますが、実はその「循環の仕組み」自体が非常に精密にできています。
エンジンが稼働すると、エンジン内に張り巡らされた「ウォータージャケット」と呼ばれる通路にラジエーター液が流れ込み、エンジンの熱を吸収。
熱を帯びたラジエーター液は、ウォーターポンプというポンプによってラジエーターへと送り込まれるのです。
ラジエーターは車の前方にあり、走行時に取り込まれた外気やラジエーターファンによって、ラジエーター液の温度を下げる構造になっています。
冷やされたラジエーター液は再びエンジンへ戻り、再度熱を吸収。
この一連の流れをエンジン停止まで絶えず循環させているのが、冷却システムです。
もしこの循環のどこかにトラブルが生じると、エンジンの冷却がうまくいかず、オーバーヒートや冷却性能の低下につながります。
特にラジエーター液が不足している場合や、エアが混入してしまうと循環が止まり、重大な故障に発展するおそれがあるため注意が必要です。
ラジエーター液の種類と色の違い
ラジエーター液にはいくつかの種類があり、色によって判別できるようになっています。
色は単なるデザインではなく、交換時期や性能の違いを表す重要な目印です。
主に使われているのは以下の2種類です。
LLC(ロングライフクーラント) | 赤や緑の色で、交換目安は2〜3年 |
SLLC(スーパーLLC) | 青やピンクの色で、交換目安は7〜10年 |
ラジエーター液の色が異なるのは、万が一漏れたときにすぐに気づけるようにするためと、交換タイミングを判別しやすくするためです。
また、異なる色のラジエーター液を混ぜることは推奨されていません。
たとえば赤と青を混ぜると、色が濁って異常に気づきにくくなるうえ、性能が落ちる可能性もあります。
補充するときは、もともと入っていたラジエーター液と同じ種類・同じ色を選ぶのが基本です。
ラジエーターの補充が必要かどうか見極める基準
ラジエーターは、基本的には頻繁に補充が必要なものではありませんが、減ったり漏れたりしていると重大なトラブルにつながるため、定期的な点検が欠かせません。
ここでは、ラジエーター液の点検方法と補充が必要かどうかを見極めるポイントを解説しましょう。
チェックの前には必ずエンジンが完全に冷えているか確認
走行直後のエンジンルームは非常に高温になっており、ラジエーター液は100℃近くに達していることもあります。
そのため、この状態でリザーバータンクのキャップやラジエーターキャップを開けると、熱湯や蒸気が噴き出して火傷を負う危険があるのです。
点検は、エンジンを止めてから少なくとも30分以上経過し、完全に冷えた状態で行うようにしましょう。
リザーバータンクで量をチェック
ラジエーター液の量を確認するには、まずボンネットを開けて「リザーバータンク」の位置を探しましょう。
リザーバータンクは、エンジンルーム内にある半透明のポリタンクで、色のついた液体(赤・緑・青・ピンクなど)が入っているのが外から見えるようになっています。
「COOLANT」「冷却水」「LLC」などの表示があるタンクが目印。
タンクの側面には「FULL / LOW」または「MAX / MIN」などの目盛りが付いており、液面がその範囲内にあればラジエーター液の量は適正です。
液面がLOW(またはMIN)を下回っている場合は、補充が必要なサインということです。
ラジエーター液の色・状態をチェック
ラジエーター液は、状態の良いものほど色が鮮やかで透き通っています。
赤や緑、青、ピンクといった色付きであるため、タンク越しに見ればすぐに確認できるのです。
以下のような状態になっていたら要注意。
- 茶色く濁っている → 劣化しており、性能が低下しているサイン
- 白くにごっている → オイル混入の可能性あり(修理が必要)
- 色が不明瞭・薄くなっている → 補充か交換のタイミング
色の変化は、ラジエーター液の劣化だけでなく、ラジエーター内部やホースの腐食・損傷が原因の場合もあるため、気になる場合は整備工場での点検をおすすめします。
漏れていないかチェック
ラジエーター液は循環する仕組みとはいえ、少しずつ自然に減ることもあるのです。
しかし、極端に減っている場合は「漏れ」の可能性が。
漏れの有無を確認するには、以下のポイントをチェックしましょう。
- 駐車場の地面に色のついた液体が残っていないか
- ラジエーター本体やホースの接続部、ポンプ周辺に液体がにじんでいないか
- エンジンをかけたとき、水温計の針がすぐにH(高温)寄りになるか
漏れが見つかった場合は、自力での補充だけで済まないケースもあります。
部品の交換や修理が必要になるため、なるべく早めにプロに相談しましょう。
ラジエーター液の補充方法|初心者でもできる手順と道具
ラジエーター液の量が減っていた場合は、早めの補充が必要ですが、コツさえつかめば初心者でも対応できる簡単なメンテナンスです。
ここでは、補充に必要な道具やラジエーター液の選び方、実際の手順、補充後の確認ポイントまでをわかりやすく解説します。
準備する道具一覧
ラジエーター液を補充するために、あらかじめ以下の道具を用意しておきましょう。
- ラジエーター液
- じょうご
- 雑巾やタオル
- 軍手
- ライトまたは懐中電灯
- ペットボトルや計量カップ
車によってはリザーバータンクの位置が見づらい場合があるため、取扱説明書も手元に置いておくと安心です。
ラジエーター液の種類と選び方
ラジエーター液にはいくつかの種類があり、車に適したものを選ぶことが重要。
まず確認すべきは、ラジエーター液の「色」と「タイプ」です。
色に関しては、前述の通りすでに車に入っているラジエーター液と同じ色・同じ種類のものを選びましょう。
また、ラジエーター液には以下の2つのタイプがあります。
原液タイプ | で希釈して使う |
希釈済みタイプ | そのまま使える |
初心者の方には、計量や希釈の手間がない「希釈済みタイプ」がおすすめです。
ラジエーター液の補充手順
補充の手順は以下の通り。
エンジンが完全に冷えている状態で行ってください。
- ボンネットを開けてリザーバータンクの位置を確認する
- タンクの目盛りを確認する
- 目盛りgあLOWより下ならタンクのキャップをゆっくり開ける
- じょうごを使い、液面がFULLとLOWの中間〜FULLに届くくらいまでラジエーター液を注ぐ
- キャップをしっかり閉める
補充後にやるべきこと
補充が完了したら、以下の点を確認しましょう。
- ラジエーター液が漏れていないか確認する
- エンジンをかけて水温計の動きを観察する
- 必要に応じてエア抜きをする
エンジンをかけてみて、水温計が 通常の位置まで上がれば問題ありません。
すぐにH側まで上がるようであればトラブルの可能性があります。
また、車種によっては補充後に「エア抜き」が必要な場合も。
エンジンをかけて数分放置し、ラジエーター内に空気が溜まっていないか確認しましょう。
泡が出るようなら少し補充し直します。
水道水を使ってはいけない理由とは?
ラジエーター液は見た目が水に近いですが、代わりに水道水を使うのは非常に危険です。
ここでは、なぜ水道水を使ってはいけないのか、その3つの理由を解説しましょう。
凍結する
水道水は0℃以下になると凍ってしまいますが、専用のラジエーター液は、不凍成分が含まれているため、氷点下でも凍りにくくなっています。
冬場に水道水を入れたままにしておくと、凍結した水が膨張してラジエーターやホースを破損させるリスクが。
とくに寒冷地では、車が動かなくなるだけでなく修理費が高額になる可能性もあるため、水道水の使用は避けましょう。
サビの原因になる
水道水には微量の塩素やミネラルが含まれています。
ラジエーター液にはあらかじめ防錆剤が配合されており、こうした金属腐食を防ぐ働きがありますが、水道水にはその効果がありません。
そのまま使い続けると、サビによる目詰まりや冷却性能の低下を引き起こし、最終的にはエンジンの故障につながる可能性もあります。
沸点が低く蒸発しやすい
水道水は100℃で沸騰しますが、ラジエーター液はより高い温度でも蒸発しにくいように調整されています。
エンジン内は高温になるため、沸点の低い水道水ではすぐに蒸発してしまい、冷却が追いつかなくなる危険性が。
これによりラジエーター液が早く減り、気づかないうちにオーバーヒートしてしまうリスクが高くなるのです。
ラジエーター液の補充でエンジンを守ろう
今回の記事では、ラジエーター液の役割や循環の仕組み、ラジエーター液の種類、補充方法について詳しく解説しました。
補充作業自体は難しくないものの、エンジンが冷えていることを確認したり、適切なラジエーター液を選んだりすることが大切です。
もしラジエーター液が不足している場合や、状態が悪化している場合は、早めに補充や交換を行ってください。
定期的にラジエーター液をチェックし、必要に応じて補充や交換を行うことで、トラブルを未然に防ぎましょう。
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